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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
「ふむ、怪塔ロケットは一台かぎりかと思っていましたが、七台も八台もあるのですか。これはわが海軍にとって、じつに油断のならぬ敵です」
「そうだ、怪塔ロケット一台ですら、あのとおり新鋭戦艦淡路をめちゃめちゃにしてしまったんだから、その怪塔ロケットに七八台も一しょにやって来られたのでは、わが連合艦隊をもってしても、まずとても太刀打ができまいな」
「残念ですが、司令官がおっしゃるとおりであります。これが砲撃や爆撃や雷撃でもって攻めて来られるのでありましたら、わが艦隊においてこっぴどく反撃する自信があるのですが、世界にめずらしい磁力砲などをもって来られたのでは、鋼鉄でできているわが軍艦は、まるで弾丸の前のボール紙の軍艦とかわることがありません」
「ううむ、残念だが、これは困ったことになった」
さすがに武勇にひいでた士官達も、怪塔ロケットの持つ磁力砲の威力のことを考えると、たいへんにおもしろくなくなりました。
塩田大尉は、この時、席に立上り、
「こうなれば、われわれの選ぶ道はただ一つであると思います。すなわち、大利根博士の秘密室で発見されたあべこべ砲を製造して、あれを軍艦や飛行機にとりつけるのです」