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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
二人はそれをつたって、二階へあがっていきました。
この二階もまっくらですが、懐中電灯で照らしてみますと、ここはたいへんきちんとしていまして、黒ぬりの美しい配電盤や、そのほか複雑な機械がずらりと並んでいました。
「ここは何をするところなの」
「さあおじさんにはわからないよ。しかしまるで軍艦の機関室みたいだね」
「塔の中に、軍艦の機関室があるなんて、変だね」
「うむ変だねえ。なにか訳があるのにちがいない――さあ、いよいよこの上に怪塔王がいる部屋があるのにちがいない。一彦、しっかりするんだよ」
と、帆村探偵は一彦をはげまし、三階につづく螺旋階段の手すりに手をかけました。
2
怪塔王の部屋は、いよいよこの階段を一つのぼれば、そこにあるのです。帆村探偵もさすがにのぼせ気味で、息づかいもあらくなってまいりました。一彦少年はというと、これは体をちぢめて、鼠をねらう子猫のようなかっこうに見えました。
足音をしのばせながら、螺旋階段を一段ずつのぼっていく二人のひたいには、いつしかあぶら汗がねっとりとにじみでました。帆村の右手には、愛用のコルト製のピストルがしっかとにぎられています。