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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
「あっはっはっはっ。どうだ。やっとわかったか。贋物の怪塔王の仮面がやっとはげたんだ。そのような怪塔王でよかったら、あと幾人でも見せてやるわ」
天井裏からおかしそうに響いてくる無遠慮な笑い声は、たしかに怪塔王にちがいありません。
6
「どうだ、小浜兵曹長。その辺で降参したらどうだ。もうなにごとも、貴様にのみこめたはずだ。貴様の脱獄したことがわかったので、こっちは計略で貴様をうまく怪塔のなかにひっぱりこんだというわけさ。あっはっはっはっ」
怪塔王はますます笑います。小浜兵曹長はうまく、怪塔王にひっかけられたことが、やっと呑みこめました。
目をあげて、まわりを見まわしますと、いつの間に出て来たのか、いかめしい武装をした黒人が十四五人も、銃口をずらりと兵曹長へ向けてとりまいていました。
(もう駄目だ!)
兵曹長は、腸がちぎれるかと思うばかり、無念でたまりませんでした。しかしこうなっては、どうすることもできません。ですから、持っていたピストルもなにもその場へ放りだして、腕組をしました。
「そうだ。そういう風に、おとなしくして貰わにゃならない。いい覚悟だ。