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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
帆村は一時、頭のなかがみだれて、ぼんやりとしていました。しばらくたって、彼はやっとおそろしい事実に気がついたのです。
「そうだ、わかったぞ。怪塔王のほんとうの素顔というのは――」と、その先をいうのがおそろしくて、帆村はおもわずここでつばをのみこみましたが、
「――ほんとうの素顔というのは、あの大利根博士なのだ。大利根博士が、いくつものマスクをつけて、怪塔王になりきっていたのだ。では、あの憎むべき怪塔王の正体は、意外にも大利根博士だったのだ」
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意外も意外です。
怪塔王の正体をあらってみれば、大利根博士だということになりました。
帆村探偵は、理屈のうえではたしかにそうなるから間違ないと信じながらも、あまりに事の意外なのに、夢ではないかと、いくたびも考えなおさずにはいられませんでした。
「いや、間違なく、大利根博士が怪塔王だったのだ!」
帆村は、はっきり自分にいいきかせました。それにちがいないのです。
ただ、この上のふしぎは国宝的科学者ともいわれているあの大利根博士が、仮面をむけば、なぜあのように憎むべき怪塔王であったかという謎です。それこそは、どうしても解かねばならぬ大きな謎でありました。