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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

と、まず大尉は、部下の無事をよろこびました。こっちは小浜兵曹長です。上官の声をきいて、どんなに気がつよくなったかわかりません。

「ああ塩田大尉、私も上官のお声を耳にしてどんなにか嬉しゅうございましょう」といいましたが、とたんにおもわず胸のなかが一ぱいになりました。

2

塩田大尉と小浜兵曹長の無線電話は、つづきます。――

「塩田大尉、私と帆村探偵とは、首尾よく怪塔王をやっつけてしまいましたから、どうかごあんしんねがいます」

と、小浜兵曹長は報告しましたが、それは小浜のおもいちがいで、怪塔王はやっつけられもせず、あいかわらず生きてあばれているのでありました。帆村と怪塔王との出くわしについては、なにも知らぬ小浜兵曹長です。そういうぐあいに報告するのも、むりではありません。

「そちらの戦闘の様子はどんな風でありますか」

これにたいして、塩田大尉は、敵の大敗北であることを報告したうえ、まだあと一台の敵ロケットがしきりに抵抗していることをつたえました。

「――われわれは、その一台をおとすまでは大いにがんばって闘うつもりだ。そのうえで、白骨島へ突入する考えだ、そこは怪塔王の根拠地だからな」