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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
あああぶないことです。なにかまちがいがおこらなければいいですが――
大利根博士は、なにか小浜兵曹長のすきをみつけてやっつけようと、眼玉をぎょろつかせています。
ちょうど、そのときでありました。
窓の外にとつぜんはげしい物音が聞えだしました。
ぷるっ、ぷるっ、ぷるっ。しゅう、しゅう、しゅう。
そうしてなにか、電のような白い光が、小浜兵曹長の眼をさっと射しました。
「ああ、なんだろう」
兵曹長は、すぐ窓のところにかけよりました。彼の顔が、急にかたくなりました。
「あっ、ロケットだ。ロケットが、島へかえってきた」
「えっ、ロケットが、島へかえってきたって」
大利根博士もつづいて窓のところによりました。なるほどまちがいなくロケットです。西太平洋の空中で、秘密艦隊のためにあべこべ砲で手きびしくやっつけられたロケット隊の生きのこりの一台です。
「おお、あれは隊長ののっているロケットだ」
大利根博士は、おもわず、そうさけびました。
「えっ、隊長機? 隊長とは、誰のことですか」
兵曹長は、博士の言葉をききとがめて、たずねました。
「隊長機――というのは、つまり怪塔王の部下で一番えらい奴が、隊長としてのりこんでいるロケットだ――どうだね、小浜君、あのロケットが着陸するのを待ってとり押さえては――」