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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

まるでエレベーターで下りるような工合です。

「あっ、僕たちをどうするのだ」

と叫んだが、もうどうにもなりません。二人の立っている床は、どんどん下って、やがて十四五メートル下のまっくらな部屋へおりていって、止りました。どうやら、三階から一階へおりたらしいのです。

「あっ、止った」

「まっくらで、なにも見えない」

「手提電灯をつけてみよう」

帆村は、ポケットから手提電灯を出すと、かちりとスイッチをひねりました。

3

手提電灯は、ぱっと真暗の一階をてらしました。

「おじさん、ここはやっぱり一階だよ」

と一彦少年が叫びました。そうです、たしかに見覚えのある倉庫のような一階に違いありません。

帆村探偵は無言で、じっとあたりを見廻していました。

「帆村おじさん、この鉄の檻から出る工夫はないの」

「うむ、鉄の檻ではどうもならないね」

と、いいながら、探偵は鉄の檻が床についているあたりに手提電灯をさしつけてみていましたが、そのとき何を思ったか、一彦少年の腕をぎゅっと握りました。

「一彦君。大きな声を出しちゃいけないよ」

と、まず注意をあたえてから、

「ほら、ここをごらん」