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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

「な、なーるほど」

一彦ははじめて塔が地中に下るわけが、なんだかわかったような気がいたしました。

もちろん皆さまは、ずっと前からそれがよくおわかりになっていたことでしょう。軍艦淡路の陸戦隊が地上を一生懸命さがしますが、そこには塔のかげもかたちもなかったというのも、この怪塔が地面の下におりてしまったためです。塔の屋上は砂原を帽子にしてかぶったような有様になっています。ですから塔の頂上が地面のところまで下りますと、あたりの砂原と見わけがつかなくなります。そこへ風が吹いてきて、あっちへ、こっちへと砂をふきとばせば、いよいよ塔が埋まっていることがわからなくなります。

怪塔の秘密の一つは、こうして帆村探偵のあたまのはたらきで解けました。

怪塔王がそれと知ったら、さあ、なんと思うことでしょうか。

3

「じゃあ、帆村おじさん、この土を上へ掘っていくと、地上に出られるわけだね」

と一彦が、塔の出入口のそとに見える土壌をゆびさしました。

「それはそうだが、ちょっと掘るというわけにもいかないね」

といっているところへ、突然二人の頭の上で、破鐘のような声がとどろきました。