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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

「いや、どうも」

と、兵曹長は頭をかきました。

3

機上の塩田大尉は腕ぐみして、「怪塔王と和睦をしろ」という無電を、一体誰が出したかと思案中です。

「すると、やっぱりこれは帆村探偵が出している無電にちがいない。怪塔王が、怪塔にそなえつけの無電機をつかって、電文を打って来るのなら、こんな貧弱なそしてふらふらした、無電ではない」

帆村が怪塔王に降参した、としか思えないのでありました。

そのとき、平磯基地をとびだした爆撃機隊から、連絡無電がはいってきました。

「本隊は、高度三千メートルをとりて、鹿島灘上に待機中なり、貴官の命令あり次第、ただちに爆撃行動にうつる用意あり、隊長松風大尉」

爆撃機隊は、海上三千メートルのところをぶらぶらとんでいて、塩田大尉が命令を出しさえすれば、すぐにどこでも爆撃するという電文です。いよいよおそろしい空からの爆撃戦が用意せられました。

それでは、どこを爆撃するか。怪塔のあるところを早くみつけねばなりません。塩田大尉は水戸の上空にかかったとき、全隊にそれぞれ偵察コースを知らせ、これからばらばらにちらばって、地上にかくれている怪塔をさがすことになりました。