轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かいむ

怪夢

夢野 久作

「文学時代」1931(昭和6)年10月、「探偵クラブ」1932(昭和7)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,100 字 · 23 页

青空文庫

……その瞬間であった……。

ちょうどプロペラの真正面にピカピカ光っている、大きな鏡のような青空の中から、一台の小さな飛行機があらわれて、ズンズン形を大きくしはじめたのは……。

私は不思議に思った。あまりに突然の事なので眼の誤りかと思ったが、そう思ううちに向うの黒い影はグングン大きくなって、ハッキリした単葉の姿をあらわして来た。

私は心構えしながら舵機をシッカリと握り締めた。

……二千五百の高度……。

……静かなプロペラのうなり……。

……好調子なスパークの霊感……。

私は驚いた。固唾を呑んで眼をった。向うから来るのは私の乗機と一分一厘違わぬ陸上の偵察機である。搭乗者も一人らしい。機のマークや番号はむろん見えないが……。

……二千五百の高度……。

……静かなプロペラ……。

……好調子なスパーク……。

……青空……。

……太陽……。

……層雲の海……。

私はアット声を立てた。

私が大きく左舵を取って避けようとすると、同時に向うの機も薄暗い左の横腹を見せつつ大きく迂回して私の真正面に向って来た。

私の全身に冷汗がニジミ出た。……コンナ馬鹿な事がと思いつつ慌てて機体を右に向けると、向うの機も真似をするかのように右の横腹を眩しく光らせつつ、やはり真正面に向って来る。