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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页
「でも、奇蹟です。そして、神の業です」
「おだてるなよ、わしは、奇蹟を信じない科学者だからのう。ハ……」
亡霊か悪魔か
怪老人は、妙技を揮って屍体を生きかえらせ、船中には、生きた人間が二人になったが、どろぼう船虎丸の船内には、依然として、不気味な空気が漂うている。中甲板には、なおも、四つの屍体が横えられたままだ。なぜ、怪老人は、四つの屍体を、海へすてないのか。五日を過ぎ、十日と経っても、屍体の処分をしない。
で、鬼気が身に迫るようだ。胸の創が癒えて、甲板を散歩することがゆるされた陳君は、中甲板で、四つの屍体を発見して、ぞっとした。
「どうして、屍体をすてないのですか」
老人は、にやり笑って、
「いや。まだすてるには惜しいよ」
「また、実験に使うためですか」
「そうかも知れん。ことによったら、おまえの肉体も、必要になるか知れんよ」
「えッ!」
「驚いてはいけない。わしは、大男の心臓を、おまえに移植したのは、おまえをこの世に還したいためではなかった。わしの学説の実験に使うためだ。だから、必要になれば、いつでも、おまえの肉体を貰うまでさ」
「あなたは、生きた人間を殺さぬと、仰しゃったではありませんか」