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かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页

青空文庫

僕等を救助した飛行機は、祖国日本の大型海軍機だった。

遠洋における耐空試験をやっていて、奇妙な革船に乗って漂流する僕等を発見したわけだ。

やさしい海軍の飛行将校たちは、僕等を救助し、飛行機に乗っけてくれたばかりでなく、いろいろ珍しい携帯糧食を、頒ち与えてくれた。固型寿司や、水玉のように、ごむ袋の中に入った羊羹は、とても美味しかったので、舌鼓を打つと、将校の一人は、

「小僧、そんなに旨いかい」顔を覗き込んだ。

「だって、随分お腹を空かしているンですよ」

「だが、そんなに食べると、胃袋がびっくりするぜ」

「閣下」僕は、将校の一人に、こういうと、

「ハ……。閣下はありがたいな……」

と、笑われた。海軍大尉は、閣下じゃなかった。

「では、訂正します。大尉殿。僕等を救けて下すってありがたいが、ついでに、もう二人救けて下さい」

「もう二人?」

「そうです。いまもいったとおり、魔の海の大渦巻に捲き込まれた、幽霊船にいる、二人の科学者を、一刻もはやく救助して下さい。この大型の飛行機は、まだ二人ぐらい収容できましょう」

「おう、その二人か。むろん救助したいが、その渦巻く大鳴門の方向が、小僧には、わかるかい」