轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あくまのでし

悪魔の弟子

浜尾 四郎

「新青年」1929(昭和4)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,202 字 · 51 页

青空文庫

しまいには私も妻を苦しめぬいた揚句、自分自身までがたまらなくなり、却って妻の生霊に憑かれているのではないかとすら、思うようになったのです。

土田さん、若しあなたが私の立場だったら、その明晰な頭脳を以て、もっとよくこの境遇からぬけ出られたにちがいありません。然し天賦に恵まれぬ私は、ひどく散文的な方法でしかこの境遇からぬけ出る道を見い出せなかったのです。それはたった一つの道でした。即ち、死です。死ぬことです。而もわれわれの哲学に従えば、彼女が殺されることです。私は彼女が夜半に、私にすてられたら死ぬ、とよく云った時、「いっそ死んで見たらどうか」と屡々云ってやったことがありました。然しその当時は、ただ彼女を苦しめる為に云ったので、決してそれが実現されるとは思っていなかったのでした。

ところがだんだん日がたつにつれて私は真面目にこのことを考えはじめました。私は露子が死んでいる所を想像しました。病死の場合、自殺の場合、殺されている場合――私は相変らず眠られぬ夜のなぐさみとしての、之等の光景を頭に想像して見ました。

傍にすやすやと眠っているいじらしい露子の寝息をききながら、如何に多くの夜をこういう悪魔的想像に耽ったことでしょう。