轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おろかなおとこのはなし

愚かな男の話

岡本 かの子

「キング」講談社、1936(昭和11)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,390 字 · 3 页

青空文庫

○

「或る田舎に二人の農夫があった。両方共農作自慢の男であった。或る時、二人は自慢の鼻突き合せて喋べり争った末、それでは実際の成績の上で証拠を見せ合おうという事になった。それには互に甘蔗を栽培して、どっちが甘いのが出来るか、それによって勝負を決しようと約束した。

ところで一方の男が考えた。甘蔗は元来甘いものであるが、その甘いものへもって来て砂糖の汁を肥料としてかけたら一層甘い甘蔗が出来るに相違ない。これは名案々々! と、せっせと甘蔗の苗に砂糖汁をかけた。そしたら苗は腐ってしまった」

○

「或ところに愚な男があった。知人が家屋を新築したというので拝見に出かけた。普請は上出来で、何処も彼処も感心した中に特に壁の塗りの出来栄えが目に止まった。そこで男は知人に其の塗り方を訊いてみた。知人が言うには、此の壁は土に籾殻を混ぜて塗ったので斯う丈夫に出来たのであると答えた。

愚な男は考えた。土に籾殻を混ぜてさえああ美事に出来るのである。一層、実の入っている籾を混ぜて塗ったらどんなに立派な壁が出来るだろう。そして今度は自分の家を新築する際に、此のプランを実行してみた。