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せんそうはぼくをおとなにした
戦争はぼくをおとなにした
小川 未明
「童話」1947(昭和22)年2、3月合併号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,627 字 · 11 页
まだ小さいんで、なんにもわからないのだから。」と、清吉は、かろうじていいました。こういっておばあさんを、なぐさめるつもりでした。
けれどおばあさんは、だまって、泣きつづけています。下を向いて、目から、にじみでる涙を、やせた手でふいていました。
「小さくて、まだなんにもわからないのだよ。」と、かれは、同じことをくりかえすより、いうことを知りませんでした。
「わたしも、家を焼かれて、身寄りはなし、知り合いのところで、やっかいになっているが、寒さのため、持病のリュウマチがでて、お薬を買いにいった……。」と、あとの言葉は、よくきこえず、また、泣いていました。
清吉に、おばあさんの心持ちが、わかるような気がしました。だから、自分の言葉に力をいれて、さも自信ありげに、
「ねえ、おばあさん、おばあさんが、黒い頭巾をかぶって、つえをついているので、おばけと思ったのだよ。きっと、そうだよ。いくら寒くても、こっちでは、めったに、頭巾なんかかぶらないから。」
こう、清吉が、いうと、はたして、おばあさんは、胸のわだかまりがとけたらしく、やっと顔を上げました。その顔には、しわがよって、目は、落ちこんでいましたが、かすかに口のあたりへ、笑いをうかべて、