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せんそうはぼくをおとなにした
戦争はぼくをおとなにした
小川 未明
「童話」1947(昭和22)年2、3月合併号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,627 字 · 11 页
どこか、森の中のお墓からでも、出てきたおばけのようにしか見えませんでした。
「やあ、おばけが泣いてるぞう。」
「泣いたりして、おかしいな。」
このとき、清吉は、
「こら!」と、遠くから、どなりました。
「なんで、おばあさんに、悪口をいうのだ!」
かれは、顔をまっ赤にして、大きな声で、しかると、子どもは、おどろいて、あちらへ逃げていってしまいました。
おばあさんは、おばけだといわれたのが、くやしいのか、それとも、自分の姿が、そんなに見られるのは、もう先が長くないからであろうとさとって、悲しいのか、清吉は、おばあさんの、さめざめとして、泣くありさまを見ただけで、自分までが、罪をおかしたように、からだへ冷たい水をかぶるような思いがしました。
かれは、おとなのこうして泣くのを見る記憶が、これで二度あります。その一つは、おかあさんでした。おかあさんが、あちらの赤い空をみながら、自分の家が、焼けてしまったといって、しくしくないたときです。それから、もう一つは、いまおばあさんが、こうして、泣くのを見たことです。かれは、おばあさんのそばへ近づくのに、勇気がいりました。
「おばあさん、かんにんしておやり。