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せんごぶんしょうろん

戦後文章論

坂口 安吾

「新潮 第四八巻第一〇号」1951(昭和26)年9月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,728 字 · 16 页

青空文庫

見習うべきことがタクサンあるのですよ。

しかし、表面的にマネをしてもダメなものです。狂言にはもっと学ぶところが多かったのです。狂言は現代の言葉ではありませんが、表面的に言葉は死んでいても、生きているイノチがめざましい。そして今に至るまで生きているために必要な技術、そういう本質的なことを学ぶことの方が大切でありましょう。

私は文章上にだけ存在している現代の文章というものがイヤなんです。なぜなら、現実にもッとイキのよい言葉を使っているのだもの、習い覚えたペルシャ語で物を書いているような現代の文章がバカバカしくて、イヤにならない人の方がフシギなのですよ。そうではありませんか。

私がこういう文章を書きだしたのは、特に新型を編みだそうという志よりも、習い覚えたペルシャ語で物を書くのがイヤで、イヤで、たまらなくッて、万やむをえず、こうなっているのです。むろん多少の工夫も致しましたが、万やむをえずこうなった後に、おのずから工夫の志も起ったわけで、私の方の考えでは、習い覚えたペルシャ語で物を書いて、フシギだとも、イヤだとも思わない人々、特に本職の心事はワケがわからない。