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たくじしょのあるむら
托児所のある村
小川 未明
「文学教育 第1集」1951(昭和26)年10月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,011 字 · 7 页
その人の指には、ダイヤモンドが、かがやいていました。これを見た、瞬間に、つめたい空気が、あたりを流れました。
いままで、鳴いていたすずめの声も、聞こえなくなりました。青い空に浮かんでいた白い雲も、うすく消えかかりました。子供たちは、ただ、むしょうに、保母さんが、かわいそうに思われました。
「さあ、なにかうたって、聞かせてください。」と、東京からきた女の人が、いいました。けれど、だれも、うたってきかせようとはしません。
「ここでは、いつも、どんな遊びをするんですか。」と、黒い服をきた役人は、保母さんに、聞いていました。なんのかざりも、身につけていない娘は、顔をまっ赤にして、小さい声で、それに答えていました。
お客さまの一行は、花だんのまわりをひとめぐりして、外のほうへ出ていきました。ちょうど、日がかげって、赤い花の色は、黒く見えたし、白い花のかおりは、さっぱりしなくなったのです。
画家が、托児所の小屋をとりいれて、新緑の木立を写生していました。役人や、学者の一行が、そのそばを通りかかりました。
「こんな、広々とした自然の中で、育ったのだから、もっと、明朗で、かっぱつに、うたったり、おどったりされないものかな。