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ぎじゅつのてつがく

技術の哲学

戸坂 潤

「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页

青空文庫

――併し、欧州文明や物質文明という資本主義文化のこの片言まじりの特色づけも亦、必ず技術という概念に結びつけられている点に注目しなければならない。資本主義文化が元来技術と結び付いているものだと前に云ったが、それは同時に、技術が資本制なる経済組織・生産関係と根本的に結び付いていなければならぬということだったのである。処が彼等によればそれが、単に欧州文明に、単に物質文明に、即ち単に文化問題だけに結び付けられて理解されている。これが彼等のやり口の特色なのである。即ち技術はこの際、イデオロギッシュに(観念的に)しか取り上げられていない。

かくて金融ブルジョアジーのイデオロギーは、資本制自身の経済的危機(それが実は物質的及び精神的危機の凡てを結果するのだ)をば、技術がもち又醸すと考えられる観念的危機に引き直し、そうしておいて技術の代りに何か勝手なものを持って来ることによって、技術を追放しようと欲する。なる程抑々技術がケシ飛んで了うのだから、技術の危機、困難などは立ち消えになるわけであり、それが彼等によれば取りも直さず資本主義の危機の立ち消えを意味することになるというのである。