轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
「新日本文学」(第1~11節)、「潮流」(第16・17節)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,683 字 · 214 页
石田の家は、息子三人に父親、働くものも男ばかりという生計であった。その中心に、登代が永年の借金暮しを辛棒し破産をもりかえす才覚で人々におどろかれるような勤勉な明暮れを送って来た。母の才覚、深い計量は、重吉こそ欠けていたが、いつでもそれを実現してゆく男たちの素朴な力のつよい腕や背中をもっていた。直次が亡くなり、進三は現役からひきつづいて濠北からかえされず、さりとて登代の寸法で男たちを集めて働かせる商売そのものが無くなっている現在、登代の活動を愛する生れつきは、在って甲斐ないもののようになった。
少年時代重吉が机をおいて暮していた二階の東窓の下に、ひろ子はくたびれの出た体をよこにしていた。別棟で更に東につき出ている台所で、いきなり四歳の昭夫が、
「いらん! いらん! いらんいうたら、いらん!」
と癇声をふりたててどなっているのがきこえた。同時に、はいている大人下駄で地団太ふむ音がした。
「なにいうてるのよ、昭ちゃん。かたい云うから柔わうにしたんじゃないの、じら云わんとたべんさい」
小麦と米を挽き合わせた「はったい粉」をねって、二人の子供らは時をかまわずたべていた。