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はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

「読売新聞」1927(昭和2)年1月15日~6月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 204,697 字 · 406 页

青空文庫

死刑又は無期そのような大罪を犯すような事は、いたしません。京都監獄放免後八年間在京いたし荊妻と三越にも松屋にも行きました。盗みや万引した事はありません。聖書会社から聖書を持出したのは日本人支配人尾島氏の許容を得たものですから引出したと云う訳、今こんな身に成ると思いますなら引出すのではありませんでした。自分は前科四犯もあることですから、常に高輪警察署より注意人物として目されてある事も自分は承知して居りました。罹災の際には二度も同署に呼出され、其当時の状況始末書を取られて居ります。其当時身に一寸も暗い事はありませんから、警察から呼出されましても平気で出頭したものであります。身に殺人犯放火犯の覚えがあるなら呼出状に接しましても出頭して居りません。

恐入りますが赤坂順天堂病院へも高町病院へも同日は訪ねて居りません。よく御取調べを願いとう存じます。神楽坂署にて申立てた件は第一の聴取書をのぞく外満足なのは少しもありません。同日は明治学院より三一神学校を経浅草へ行き花屋敷に入り、米久牛肉店にて夕飯を食し、帰宅したのであります。

神戸牧師仲介の下に事済みとなりしものを、自分にして病院へ伴れ行くいわれありません。