轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
「女人藝術」1928(昭和3)年10月号~1930(昭和5)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 103,349 字 · 207 页
」
夜。
酒を呑む。
酒に溺れる。
もらい――弐円四拾銭、アリガタヤ、カタジケナヤ。
七月×日
心が留守になると、つまずきが多い。ざんざ降りの雨の中を、私を乗せた自動車は八王子街道を走っている。
もっと早く!
もっと早く!
たまに自動車になんて乗れば、女王様のようにいゝ気持ち。町にパッパッと灯がつきそめる。
「どこへ行く?」
「どこだっていゝわ、ガソリンが切れるまで走ってよ。」
運転台の松さんの頭が少し禿げかけている。若禿げかな。
午後からの公休日を所在なく消していると、自分で自動車を持っている運転手の松さんが、自動車に乗せてくれると云う。
たなしまで来ると、赤土へ自動車がこね上って、雨のざんざ降りの漠々とした櫟の小道に、自動車はピッタリ止ってしまった。遠くの眉程な山裾に、キラキラ灯がついているきりで、ざんざ降りの雨に、ゴロゴロ地鳴りのように雷が光りだした。雷が鳴るとせいせいしていゝ気持ちだが、シボレーの古自動車なので、雨がガラス窓に叩かれるたび、霧のようなしぶきが車室にはいる。
その、たそがれの櫟の小道、自転車が一台通ったきりで、雨の怒号と、雷のネオン、サインだ。