轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

「女人藝術」1928(昭和3)年10月号~1930(昭和5)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 103,349 字 · 207 页

青空文庫

「起きましたか!」

珍らしく五十里さんの声。

「えゝ起きてます。」

日曜なので、五十里さんと静栄さんと、吉祥寺の宮崎さんのアメチョコハウスに行く。夕方ポーチで犬と遊んでいたら、上野山と云う洋画を描く人が遊びに来た。私は此人と会うのは二度目だ。

私がおさない頃、近松さんの家に女書生にはいってた時、此人は茫々とした姿で、牛の画を売りに来た事がある。子供さんがジフテリヤで、大変佗し気な風才だった。靴をそろえる時、まるで河馬の口みたいに靴の底が離れていた。私は小さい針を持って来ると、そっと止めておいてあげた事がある。

きっと気がつかなかったのかも知れない。

上野山さんは漂々と酒を呑みよく話した。

夜、上野山氏は一人で帰って行った。

地球の廻転椅子に腰を掛けて

ガタンとひとまわりすれば

引きずる赤いスリッパが

片方飛んでしまった

淋しいな……

オーイと呼んでも

誰も私のスリッパを取ってはくれぬ

度胸をきめて

廻転椅子から飛び降り

飛んだスリッパを取りに行こうか

臆病な私の手はしっかり

廻転椅子にすがっている

オーイ誰でもいゝ

思い切り私の横面を

はりとばしてくれ

そしてはいてるスリッパも飛ばしてくれ