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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

室生犀星『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』。同一底本的分册已合并为一书。收入:童子、ゆめの話、あじゃり、蛾、幻影の都市、香爐を盗む、三階の家、しゃりこうべ、天狗、童話、後の日の童子、不思議な国の話、不思議な魚、みずうみ。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 页

青空文庫

この不思議の女は、まがう方もない雑種児であることを感じたのである。かれはその微笑をほとんど咄嗟の間に返すと、かの女もすぐさま又返してきたのである。何かの買いものをした帰りであろう、風呂敷包みを有ちながら、裾を蹴散らして歩く背高い姿はひとびとの目を惹いたのである。かの女は足早に往来へ出て行ったが、その異常に白い頸首ははっきりとかれの目に抉り込まれてつッ立っていた。

そのときかれの疲れた耳もとで、誰かが物うげな声でささやくのが聴えた。それほど彼女の姿はひとびとの目につき、また彼女自身がそれほど有名なものになっていたのであった。かれは耳を立てたとき、うしろのベンチで囁きはふたたび起ったのである。

「あの女は電気をからだに持っているんだそうだ。何をするか分らない。得体の知れない女だそうだ。」

と、言うのがきこえた。にぶい虻のように疲れた声であった。

「どういう風に電気があるのだ。そんなものが人間のからだにある筈がないじゃないか。」

別な声がいうと、さきの声が再たこれに答えた。

「あの女がね。樹なんぞ揺ぶると、樹がガタガタ震えるのだ。ふしぎに子供を負さすと何時の間にか窒息してしまうのだそうだ。