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あたらしいまち
新しい町
小川 未明
「幼年クラブ」1947(昭和22)年8月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,189 字 · 7 页
そこへいくと、となりにいる、おじいさんは、
「なに、男だものな。いまから、強くならなければ。」と、はげましてくれる。それは、どんなに自分を、元気づけたかしれないと、勇吉は思いました。かれは、きゅうに、おじいさんがしたわしくなって、
「ねえ、おじいさん、ごらんなさい。赤い風船球は、きれいでしょう。」と、話しかけたのでした。すると、おじいさんは、顔をあげて、
「おお、あれか。なるほどきれいだな。わしは、目がかすんで、よくわからぬが、なにかほかにもついているようだな。」といいました。
「風車に、旗に、風鈴なんかですね。」
「そうかい、子どものほしがるものばかりだ。」
つぎの日には、もう勇吉の弟の病気がなおったので、おかあさんは、露店へ出ていました。
とき色の雲が、町のやねを見おろす午後のことであります。
「さっきから、ゴロ、ゴロいっているが、夕立がくるらしい。」と、おじいさんがいうと、
「いえ、どこか遠くで、工事をしているんです。毎日、あんな音がきこえます。」と、勇吉は答えました。
「ひるまは、トタンがやけるので、バラックではやりきれません。」と、勇吉のおかあさんがいいました。