轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あたらしいふなで
新しい船出
宮本 百合子
女らしさの昨日、今日、明日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,508 字 · 17 页
牝鹿がある時どんなに優しく、ある時どんなに猛くてもやはりそれなり牝鹿らしいと見るままの心で女の女らしさが社会の感情の中に流動していたのであったと思われる。
近松になると、もう明瞭に女の女らしさ、男の心に対置されたものとしての女心の独特な波調が、その芸術のなかにとらえられて来ている。よきにつけあしきにつけ主動的であり、積極的である男心に添うて、娘としては親のために、嫁いでは良人のために、老いては子のために自分の悲喜を殺し、あきらめてゆかねばならない女心の悶えというものを、近松は色彩濃やかなさまざまのシチュエーションの中に描き出している。彼の芸術が日本の文芸史のなかにあれほど巨大な場所を占めているのを見れば、近松の情の世界が、日本の社会の歴史のなかではいかに長い世代にわたって一般の感情に共感をよびさますものであったかがうかがわれる。その封建時代の女心が男女にこぼさせた涙が今日でもまだ私たちの生活の中では完全に昔の物語となり切っていない有様である。
女らしさ、という表現が女の生活の規準とされるようにまでなって来た社会の歴史の過程で、女がどういう役割を得てきているかといえば、女らしさという観念を女に向ってつくったのは決して女ではなかった。