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しんねんごうの『ぶんがくひょうろん』そのた
新年号の『文学評論』その他
宮本 百合子
「文学評論」1935(昭和10)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,976 字 · 16 页
という論文が発表されている。小松氏は第一回全ソ作家大会の重要性の一つは、かつて「ラップ」によって「ブルジョア自由主義もしくは個人主義文学の名によって蔑視され勝ちであった西欧文学についての再検討と、自国文学に対する価値的反省」であるとし、「フランスの行動的ヒュマニズムの変革運動は芸術にあっての自由と、その自由なる芸術的表現の主張によって最近のソヴェト文学によき示唆を齎した。」小松清氏はアンドレ・ジイドのメッセージの一節「今日、ソヴェトは文学なり芸術なりの領域において、コムニスト的個人主義を設定することに努めなければならない」という言葉を結語として「われわれの主張する全的人間性の観念の上に立った個人主義」を、日本におけるプロレタリア文学運動の新段階と直接間接関係あるものとして提出している。ジイドが今日のソヴェト社会の現実を念頭において意味したコムミニスト的個人主義というものの実体と、日本の階級社会のなかにあっての個人主義の実体とが、同じであり得ぬことは自明である。小松氏の全的人間性の観念に立った個人主義というものも、果して現実のものであり得るだろうか。