轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

03 第三分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,353 字 · 371 页

青空文庫

「愚痴はやめた!」

と、いった。

そしてもっと足早に麓まで駈け降りて行った。

茂右衛門の家へ帰ると、

「桑十桑十。思わず長旅になったが、明日は帰国いたそうな。朝早く立つとしようぞ」

と、いった。

その元気な顔いろに、供の佐屋桑十は、さては竹中半兵衛殿とよいお話になったに違いない、と察してともどもよろこんでいた。

自分と桑十に、茂右衛門の親子など加えて、その夜は立ち振舞いして寝こんだ。

何も考えず彼は眠った。桑十はその鼾声に驚いて時折眼をさました程だった。――が、考えてみると、毎日、栗原山の上まで通った肉体の疲れと心労は、傍眼に見ていてさえ並大抵ではなかった。いっぺんに御疲労が出たのであろう――そう知ると桑十のような武骨者でも、涙ぐまれて来た。

「少しでも、人の上に立とうとするには、たいへんなものだなあ」

沁々、主人の努力を感じた。けれどその結果が失敗に終ったことは知らないのである。

夜が白むか白まないうちに、藤吉郎はもう旅支度をすましていた。露をふんで村を出た。村の土民の家さえまだ寝ているのが多かった。

「待て、桑十」

ふいに彼は立ちどまった。日の出のほうへ向って黙然と突っ立っているのだ。