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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页
誰に相談しても、「自分で行った方がよいと思うならば」というくらいなので、彼女は、自分で自分の気持を知るに苦しんだりした。
孝之進はそのことに異議はなかった。が、ちょうどそのとき、M家のことに就いて、また一つ新らしい事件が起って、その奔走にせわしかったので、都合の返事もつい、のびのびになっていた。事件というのは、今度村民がM家を相手どって、訴訟を起したのである。耕地整理を口実にして、M家の先代が――今年は八十に手の届く老人で隠居をしている――官有地の払下げを請願して、成功した幾段歩かの田畑を、着服してしまったというのである。折々、物議の種とならないこともなかったのだけれども、村役場や、小学校などに少なからず寄附したりしていたので、そのままになっていたのを、M老人と個人的な衝突をした者が、腹立ち紛れにというようなことが起因であった。一体M老人はすべてに遣り手すぎた。一代にとにかくあれだけの資産を堅めたかげには、多大の犠牲が払われている。威光に恐れて、すくんではいるものの、いざとなれば反旗を翻す連中がずいぶんいるので、事件はますます拡大してしまったのである。