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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
萱笠
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,885 字 · 27 页
荒あらしくふるまったり粗暴をまねたりするのではないか、わたしはそう察しています、そしてそういう無理な癖を直すには、早くよい嫁を娶ることだと考えていました」
吉村の母はそこまで云うと、なにか感慨がこみあげてきたかのように口を閉じ、暫らく自分の膝のあたりを見まもっていた。それから、どうして今そんな話をされるのか、まだわけがわからずにいるあきつの顔を、訴えるような眼で見あげながら続けた。
「わたしはずいぶん人にも頼み、自分でも足をはこんで、嫁になって呉れる方を捜してみました、でも世間の親御さん方には、大三郎がどんなにか末遂げぬ者にみえたのでしょう、とうとう今日まで思わしい縁がありませんでした、わたしはもう諦らめかけていたのですよ、もうこれでゆくさきを看とって呉れる嫁はあるまい、そう思っていました、そこへあなたのはなしを聞きましたの、あきつさん、わたしは正直に申すと信じられませんでした、大三郎が自分でどなたかに云い交わす、そんなことのできる子ではない、嘘にきまっていると思いました、でも」とより女は、なにか云おうとするあきつを抑えて、言葉を継いだ、「……でもみれんがあったのですね、わたしはそっとあなたのごようすを拝見しにゆきました、お住居の近くに立ったり、それとなく人に伺がったり、いま考えると恥ずかしいようなことを