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にっき
日記
宮本 百合子
17 観劇日記(一九二九―一九三〇年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,770 字 · 36 页
「ボート〔ほら〕、これで革命が真直に行く!」
さあチェペリ、レボリュチア、イデォット、プリャーモ〔今や、革命はまっすぐに進む〕
と云って両手をやっこらと前に振って、幕。
このタワーリシチ・シャイキンという男が今到るところに居る。革命の完成を信じ、そのために一々うるさく、例えば、戸をたたかず入って来て
――一寸御免なさい、あなた便所へ行きましたか?
女、ぷりぷりして
――どうしてです
――電気がつけっぱなしです、我等は節約しなけりゃならないんだ。じゃ、となりをきいて見よう
出て行って、かえって来て
――失礼しました、便所へ電気をつけっぱなしにしたのは貴女じゃなかった。となりの女でした。
と云った風。この男が最後に出て来て結語を与えるのは一寸考えものだ。何故なら彼は常に箇人として舞台に現れ、滑稽な、間のぬけた、五月蠅いのが見物には可笑しがられて居るような人間が最後に決定的な文句を云うのはよくない。
レリス・グジャット以来インテリのコントル・レボリューチー〔反革命〕技師はまだソヴェートのタイプだ。
〔配役表貼付〕
この「鞄を持った男」は一九二八年の春昇氏と三人で始めて革命劇場を見た。