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にっき

日記

宮本 百合子

17 観劇日記(一九二九―一九三〇年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,770 字 · 36 页

青空文庫

然しリャザーノフは立つ筈もないから、詩人氏が自分の云いたいことを始めた。

ヴェジミャンスキーが雄弁を振って居るとき不図見ると、白髯を垂れたリャザーノフがハンカチーフで禿をふいて居た。汗をかいたと思い自分微笑した。

(これはヴェジミャンスキーがウダールニクが十三しかなかったときに書いたのだと云った。その意味で歴史的なものだと。)

○これは見た当時とあとと印象が違った。あの晩はYも大して面白いと云わぬし自分も不満だったが、一日二日たつとセクレタリーの姿(カリカチュアライズされた)、最後のマッスの形(セクレタリー排撃の)、白い紙が前後左右から降って来たビュラクラティスト地獄等、或感じをのこして居る。

○シネマを、革命劇場のように全面的(擬音を出した)につかわず、高く小さく出し(音楽で)てここでは効果があった。

これを見て居る時、隣りに何かで、どっかへ派遣される女と男が来て居る。男幕がしまると女の手をとって

――一日行くのをおのばしよ、私が彼方へ電報を打って上げるから

――いいえ、駄目! 不可能なの

――お前一人じゃないじゃないか、何とかなるよ、ね、おのばしよ、一晩!