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にっき

日記

宮本 百合子

30 一九四七年(昭和二十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,669 字 · 24 页

青空文庫

八月九日

(長者町)m、自動車の心配をしてくれ両国まで送ってくれ太田さん席をとっておいてくれ。やっと六時頃つく。石じきのいやな大通りからボロ屋の奥へ入ったら二階がまるで樹のしげみの中につっこんだようにしかも見晴しよく建っているにはおどろいた。気に入った。350 ということ。

フロ、光の家のような別棟也

八月九日夕方六時

一日じゅうその汽車しか通らなかったわけではないだろうのに、むこうの松林のかげでひどく汽車が煙をはく音がきこえた。まるで大きいみに豆でものせてふるうような。彼女は何となしその業々しい音に滑稽を感じて時計をみたら丁度六時。きのう自分たちがのって来た三時十何分かに両国を出た汽車だった。

あしたもしmが来ればこの汽車で来るだろう。そう思い、きのう、駅のひろ場で自転車に荷もつをつけていたとき見た汽車のひどい黄色い煙を思い出した。粗悪な石炭をたいて走っている。かなりつよい西南の風につれて、暫くの間廊下に立っている彼女の鼻に石炭の煤煙の匂いがした。

○三木武吉さんて、政治家がございましょう、あの二号さんの妹さんがやっていたのがカグラ坂でも一番大きくて――

○兵隊宿だったせいか、自分は自分はという。