轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
10 その九 覆面屋敷
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,820 字 · 54 页
十八と二十とで年齢のひらきはあるが、よく似ている。むしろ同じ手のようだと思われる程ではありませんか」
彼は二ツの筆跡を花廼屋と虎之介に示した。たしかにそれは同一人の手のように似ていたのである。二人もそう思った。
新十郎は暗然として呟いた。
「多久駒守は、なぜ覆面したか。まったく、駒守は、神様のように頭の働く人だ。国家の枢機にたずさわると、海舟先生の次ぐらいに手腕を示した人物かも知れない」
虎之介は呆気にとられて訊ねた。
「すると、あなたは犯人を御存知か」
「まア大体事件の全貌は分ったようです。ただその裏附けを確めるために、テンカンと夢遊病者のことを専門の先生におききすることが残っているだけのようです。では皆さん、今日はさよなら。明日の午ごろ、拙宅でお目にかかりましょう。誰が犯人か、それは明日までのオタノシミ」
新十郎は二人をのこして行ってしまった。
★
虎之介は海舟の前にかしこまっていた。虎之介の話をきき終り、海舟は悠々自在、無我の境に遊ぶようにナイフを逆手に、後クビの悪血をしぼっていた。心ゆくまでタンネンにしぼりつづけているようだ。