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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
12 その十一 稲妻は見たり
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,240 字 · 52 页
どうも海舟先生も今回だけは窮しているのかも知れん。ところが海舟は悪血をしぼり終ってナイフをおさめて、
「お三枝は無実ではあるが、由也の頼みによって身を隠したことにより、由也めがそれによって悪事を致しておる。お三枝は自らは弁えないが、由也の悪事の片棒を担いだ結果になっているのだなア。青磁や皿をわったのはお三枝に非ず、泥酔の時田だなア。実は由也がわざとそっちへよろけるように仕向けて割らせたのかも知れないぜ。それが真相であろう。かくて時田にわらせ、それを時田に確認させて後に、お三枝がわった如くに見せて、お三枝にムネを含めて失踪せしめたな。時田に向っては、貴公を救うためお三枝の仕業の如くにクラヤミに仕掛をほどこしておいたところ、お三枝は己れのアヤマチと早合点して行方不明と相なったが、死んでおるかも知れぬ。これも貴公のアヤマチあればこそだ。こうインネンをつけて時田をゆすっているな。質をうけだしたのは申すまでもなくユスリでまきあげた金さ。この金の入要が動機であろう。裏庭の井戸に水音がしたというのは、お三枝の身投げと見せかけるためではなくて、そのアベコベだ。召使いが主家の秘蔵の瀬戸物をわれば誰しも思いつくのは皿屋敷にきまッてらアな。