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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
14 その十三 幻の塔
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,140 字 · 31 页
「何も見ねえよ。そんな人の名をきいただけさ」
「名がでる筈はない。なア。貴公。その名は出ないよ」
「そうかねえ」
「そうだよ。だが、まア、いいや。貴公の仕事はそんなことじゃアなかったなア。山本定信てえのは、清の皇帝様の重臣だよ」
「日本人じゃアねえのかね」
「オレがお釈迦サマの友達、重臣だてえのを貴公も心得ているだろう。天下は甚だ広いものだ、なア」
「そうかい」
「下僕の金三に、アンマのお吉、ツンボとメクラがいただろう。貴公、それをどう見たかえ」
畜生メ。心得ていやがる。何から何まで油断のできないガマガエルだ。ベク助は癪にさわって、返答せずに座を立った。
蛸入とガマはみんな心得ているらしい。オレときては敵地へまんまと乗りこみながら、敵に見破られるばかりで、一向に確かなことが分らない。実にどうも面白くない有様である。
しかし、ここまで踏みこんだからにゃア、今にみんな正体を見ぬいてみせる。蛸入もガマもおどろくな。
とにかく話がみんなシナにつながっていやがるらしいから、そッちの方からタグリだしたらどうにかなろうというものだ。
ベク助はこう考えて計画をねった。
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