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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
14 その十三 幻の塔
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,140 字 · 31 页
馬賊、海賊の手下を養成するか、さてこそ口サガない人々は島田の門弟を指して、
「馬賊の三下が通るぜ」
なぞと云う者もあるほどだった。時の怪物と目されて、世人のウケは一般によろしくなかった。
けれども十五名の門弟の数名に近づきを持った人なら、決して島田を悪しざまに言う筈はなかったのである。門弟に共通していることは、彼らが一様にいわゆる豪傑風の武骨者ではないことだ。むしろ豪傑の蛮風から見れば文弱と称してよろしいほど、礼節正しく、常識そなわり、円満温厚な青少年のみ集めていた。したがって彼らの体格は一見弱々しい者が主であった。そして何年たっても武芸者然とはならなかったが、特別な心得の人が見れば、彼らがすでに相当の手練を会得しつつあることが了解し得たであろう。けれどもその特別の心得なるものが、当時の武芸者には欠けていた。彼らが主として学んでいたのは杖術ならびに拳法、むしろシナ流のカラテであった。その他、馬術、水泳から短銃、航海術等に至るまで学びつつあったのである。島田は短銃の名手でもあった。
カラテほど実用的な闘争術は少なかろう。突きも蹴りも必殺の急所のみ狙うから試合ができない。