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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
14 その十三 幻の塔
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,140 字 · 31 页
なぜなら、これが俗に云う福助、頭デッカチの一寸法師で、三尺あるなしの畸型児だから、見ただけでは年齢が判らない。二十から二十五ぐらいで、どの年齢にも見える時がある。
ところが妹をサチコといって、これは目のさめるような美少女だった。年は十八。気品あくまで高く、白百合よりも、清く、さわやかである。
しかるに彼の道場に入門を許された者が、五ヶ年間にようやく十五名である。すくなくとも数百名が入門を志したり、ヒヤカシに出むいたりしたが、その全員が当時十三のサチコの杖に突き伏せられ、噂をきいて他の道場の師範代程度の使い手が一手試合に出かけたこともあったが、サチコのくりだす杖の魔力に打ち勝つことができなかった。
道場の看板に武芸十八般とある通り、入門を許された十五名は朝から夜まで諸流の稽古に休む間もないほどである。
彼らは稽古について多く語ることを避けるから道場内の生活はよく分らないが、師を尊敬することの甚しさは門弟一同に共通したものであった。
そこで世間は取沙汰して、由比正雪の現代版現る、なぞと説をなすものが次第に多くなった。
由比正雪は天下を狙ったが、島田幾之進は何事を策し、何事を狙うか。