轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
16 その十五 赤罠
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,372 字 · 67 页
これは事件以来、清作が本宅に泊ることが多いから、大事の後ツギを身ごもっているチヨの不安をまぎらしてやるために泊りにきているのである。チヨの実家の三原家は家号をマル三というこれも木場の大旦那。チヨの父三原太兵衛は喜兵衛の無二の親友。ゆくゆくは共同の会社にと両名が考えているうちの事件であった。
チヨの兄保太郎はマル三の自慢の倅で、清作と同じ年だが、これはガッシリと精気あふれ、木場にふさわしいりりしい若旦那。
新十郎一行がチヨに対面をもとめると、保太郎が附きそっており、
「妹は身ごもっておりまして、この腹の子が今では山キの一粒種。今度の不幸な出来事にはなるべく触れさせたくありませんので」
「まことに礼儀をわきまえぬことで申訳もございません。実は番頭の重二郎さんの行方が分らないそうですが、葬式の前日当家へ見えて、夕食後市川の別荘へ行かれたままその後のことが知れません。そのときの車夫に会わせていただきたいのですが」
チヨは利口そうな目をあげてジッと新十郎を見つめて、
「この寮の車夫はその日あいにく父をのせて市川へ参りまして、重二郎さんを市川へ御送りした車は当家のものではございません。