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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
の熟練を持っている。
銀一もサグリの名人だが、一方オカネ婆アは片目の半分を活用して、メクラどもに泥を吐かせる大手腕をもっていた。
「オヤ。お前の袖口にオソバがぶらさがッてるよ」
なんて、メクラには何も見えないから、アノ手コノ手と攻めたてて、いつのまにやら泥を吐かせる。角平や弁内はいい齢をしながら今でもオカネ婆アのサグリにあうとコテンの有様である。ところが稲吉は、若いながらもこんなサグリにはかからない。
その上、商法上のカンと要領が生れながらに発達しているから、上客を知りわけてサービスよろしく可愛がられるコツも心得ており、よその流しアンマの何倍もオトクイがあるのである。しかし上トクイがタクサンあるということなぞはオクビにだしたこともなく、稼ぎの半分は師匠にかくして使っているが、殆ど見破られていないのである。
このように要領のよい稲吉だから、心の中では兄弟子どもをことごとく甜めきッていた。オレは十八、お志乃は十九。別に奇妙な組み合わせではない。角平だの弁内なんぞがオレをおいてお志乃のムコになれるものか、と内々思いこんでいた。
ところが、ちかごろ風向きが変ってきた。