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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
手前の口は臭くッて仕様がないや。ヌカミソ野郎め」
角平は日に一度や二度は銀一とオカネにこうどやされる。それでも歯をみがこうとしないのである。
弁内の大飯と早飯は物凄かった。誰よりも素早く余計にかッこもうというコンタンだ。
「手前のゼニで腹のタシマエができねえかよ。一人前の若い者は、稼いだ金はキレイに使うものだ。唐変木め」
と、オカネに年中怒られているが、それぐらいのことで弁内の早飯がのろくなったことはない。奴めは稀代の女好きで、アンマのくせに岡場所を漁るのが大好物なのだ。そのために年中ピイピイしているのである。
稲吉は十八ながら要領がよかった。覚えもよくて、十五の年にはもう流しアンマにでるようになった。見習い中は笛をふいて流しにでるのが昔のキマリだ。奴めは五人お客をとると、今日は三人でござんした、と報告して二人分はうまい物を食ってくる。
もっとも、これはどこの若いアンマもやることだ。けれども、要領が悪いから、みんなバレてしまう。彼らがバカなわけではなくて、どこのアンマの師匠もサグリを入れる天才をもっているからだ。五六十年も目のない生活をしていれば、その期間というものは他の感官をはたらかして常にタンテイしているようなものでもあり、カタワのヒガミがあるから人の何倍も多く深く邪推して、サグリを入れる手法には独特