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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
「なんとか、しておくれよ」
と三ツの目玉を見合わせても、この二人には良い智慧が浮かぶ見込みもない。
この晩も、旦那のところを早目に切りあげたお志乃が松之助とアイビキ中にジャンときた。火が消えてから二手に分れて、二人は何食わぬ顔、松之助の奴は、
「ヘイ、火事見舞いでござい」
と図々しく、ついでに義理を果して、オヤ御苦労さん。おそいから、泊っておいで、と寝床をしいてもらい、奴めアイビキで疲れているから、良い気持にグッスりねこんでいるという次第であった。
「こんなウチは火事に焼けちまえばいいのに」
と、弁内は呟きつつフトンをひッかぶり、
「長居は無用だ。この土地にゃア話の分る後家も芸者もいやしねえ」
「テメエの話は人間のメスには分らねえよ。北海道へメス熊の腰をもみに行きな」
角平がねがえりをうって吐きだすように呟いた。
★
なま暖い晩だった。長い冬が終ろうとして、どうやら春めきだしたころ有りがちな陽気。
「今晩は火事があるぜ。コタツでウタタ寝しちゃアいけねえよ」
銀一が呟きのこして出ようとすると、
「ナニ云ってやんでえ。テメエのコタツを蹴とばしてお舟の股ぐら焦すんじゃねえや。