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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
直々師匠につかみ取ってもらうには、よほど辞を低うし、礼を厚くしなければならなかったものである。
今ではアンマの型もくずれたが、昔のアンマは主としてメクラで、杉山流と云った。目明きアンマもいたが、これを吉田流と云い、埼玉の者に限って弟子入りを許されていた。メクラのアンマの方は生国に限定はない。
明治になるとアンマの縄張りなぞという不文律は顧られなくなって、誰がどこへ開業しても文句がでなくなったから、つかみ取るのも容易な業ではなくなったが、それでも多くの弟子をかかえてつかみ取らせることができれば、アンマの師匠御一人は悪い商売ではなかったのである。
弁内が住みこんでいる師匠のウチは、人形町のサガミ屋というアンマ屋サン。
弁内の問わず語りの通り、師匠の銀一は小金持の後家のオカネと良い仲になり、株を買ってもらって開業したのだそうだ。その頃はまだアンマの株なぞがあったのだろう。開業当時は多くの弟子を抱えて盛大につかみ取らせていたが、次第に時勢に押されて、商売仇きが多くなり、今では弟子がたった三人。弁内の兄弟子の角平と、見習の稲吉の三人メクラだけである。
銀一は小金持のオカネと結婚してアンマの株を買ってもらったが、メクラ以外の者には羨しがられもしなかった。