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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
そんな臭い土が掘れるかよ。なア、角平あにい」
角平はフトンをひッかぶッて寝ていたが、
「真夜中に、むやみに話しかけるんじゃないや」
「オヤ? 隣りの部屋にイビキ声がするじゃないか」
「化け物婆アの甥の松之助よ。川向うから火の手を見て、火の消えたあとへ素ッとんで来たのよ。忠義ヅラする奴だ」
と、ませた口で吐きすてるように言ったのは稲吉だった。
松之助はオカネの妹の子供であった。お志乃のムコにどうかと云って、妹がしきりに姉に働きかけている若者であった。
ところが、オカネ婆アはなかなかウンとは云わない。それどころか、せせら笑って、
「松之助は手に職があるかえ?」
「だからさ。私が甘やかして育てたばかりに、手に職がないから気の毒なんだよ。ここの養子になれば、大勢のアンマを使って、ちょうどいいじゃないか。指図ぐらいはできるじゃないか。目があいてるし、手も書けるよ」
「ウチのゲジゲジにひッぱたかれるよ。指図ぐらいできるたアなんだい。お志乃だって、片目があるし、手も書けらア。ウチのゲジゲジは働きのない人間ほどキライなものはないてんだよ。私がウンと云ったって、ウチのゲジゲジがききやしねえ。