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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
私にしたって、ゲジゲジに頭を下げてまで、ウスノロをムコにもらいたかアねえヤ」
「ちょッと! 松之助はウスノロじゃアないよ。目から鼻へぬけたところだってあるんだよ」
「よせやい。ぬけたところも、とは聞きなれないね。一ヶ所だけ目から鼻へぬけたてえ人間の話はきかないね」
「じゃア、なにかい。手に職をつけたら、松之助をもらッてくれるね」
「私ゃ知らないから、ゲジゲジに相談しな。ゲジゲジがウンと云やア、私や反対しないよ」
むろん銀一がウンと云う筈はない。アンマのウチはアンマがつぐにきまったもの、と云うのが彼の断乎たる持説である。彼が常々その持説を主張するから、弟子のアンマもその気になっていた。角平が二十六。弁内が二十四。どッちも良い歳だ。ヨメでも貰ってよそへ間借りして開業しても、ケチンボーの銀一についてるよりはマシな暮しができる筈だが、ここのムコになれるかも知れないと思うから、ゲジゲジや化け物にガミガミ云われながら辛抱している。それは十八の稲吉にしても、そうだった。兄弟子は二人ながらバカヤローだから、こッちへ順が廻るかも知れねえと考えている。
「物を云う時には横を向け。