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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
04 その三 魔教の怪
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,829 字 · 45 页
「二三ヶ月たちますると、雷象の様が変りまして、上司に報告をだすどころか、カケコミ教の礼讃、宣伝、説教を致すように相成りました。手前どもの道場に於きましても、怪しき経文を唱えて踊り狂い、説教など致しまして、ほとほと困却いたしましてござります。やがて刑事はクビとなり、目下カケコミ教の風呂の釜焚きをいたしておるそうでございます」
海舟も笑った。
「虎も釜焚きにされるから、カケコミ教には近づかない方がいいぜ。西洋の諺にミイラとりがミイラになるというが、虎には似合いの戒めだから、覚えておくがいいや。豪傑には頭の仕事は不向きなものだ。昔は武官が国政をやったから、国が大そう荒れたのさ。探偵なども、推理の頭とふんじばる豪傑はそれぞれ違った人がやるべきことだ。虎は捕方にまわる方が無難だぜ」
「探偵は馴れでござる。武術に於ても錬磨、馴れということを古人は第一に戒めてござった」
虎之介は目をむいて唸ったが、直ちに目をとじて長々と気息をととのえ、再び静々と語りはじめた。
「あらたに牧田と申す密偵を放ちましたが、雷象の顔見知りでは不都合が起りますから、にわかに人選して採用いたした未経験者でござるが、書生あがり、小才の利いた文弱な若造でございます。