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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
07 その六 血を見る真珠
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 页
その晩は酒を配って長々の収穫を祝う。
「さて、明日は一同に真珠を分配するぜ。まったく木曜島あたりじゃア想像もつかないような大収穫だ。帰国の途中には広東や杭州などのシナの賑やかな港によるから、早く金に代えたい者は代えるがよい。一番不足の取り分の者でも、三万や四万円にはなるはずだ。世界一の首飾りの玉の一つになるようなのを誰でも一ツニツは手に入れるのだから豪勢だ。真珠は銘々が控えもあることだし、一ツも不足なく金庫に眠っているから、明日を楽しみに今日はゆっくり飲むがよい」
そこでその晩は大酒盛りになった。畑中は特に八十吉夫婦と竹造ならびに今村を船長室に招待して労をねぎらう。清松はまだ病気が全治といかないので、酒を慎しみ、トクと共に自室にこもって出なかったのは幸運であった。八十吉は今は任務を果して心にかかることもないから始めて酒をすごして酩酊した。と、酒宴の途中にヌッと姿を現したのは五十嵐であった。彼は目を怒らせて、
「船長。今晩は特別の宴会だ。女を独り占めにしちゃア困るじゃないか。オレたちの席へも女をまわしてもらいたい」
すでに大酔しているのである。畑中はかねてこういうこともあろうと用心して、女たちの姿をなるべく男の目にふれさせぬように配慮している。