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ほしのこ
星の子
小川 未明
「婦人公論」1923(大正12)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,212 字 · 11 页
いまから、すぐにも、彼女は、旅立ちをしてその高い山に、雪を分けて登ってゆこうと思いましたが、もとよりどこに草がうずもれているか知ることができなかったのです。このうえはただ、もう一度信神の力で、子供を自分の手に帰してもらうよりほかに、どうすることもできないと知りました。
彼女は、その日から毎日、神に願をかけて、「どうか死んだ子供が、もう一度帰ってきますように。」と、宮や、寺へいって祈ったのであります。
こうするうちに、春もだんだんに近づいてきました。しかし、まだ木が芽ぐむには早く、風も寒かったのであります。ただ雲の切れ目に、ほんのりと柔らかな日の光がにじんで、なんとなく、なつかしい穏やかな日がつづくようになりました。小鳥は、庭の木立にきて、よい声でさえずっていました。
日がたちましたけれど、彼女の子供を亡くした悲しみは、ますます鋭く、胸を刺してたえられなくなって、彼女は、毎日のように子供の墓にお詣りをしました。そして、どうか、もう一度生まれ変わって帰ってくるように祈りました。
ある夜のこと、女は、不思議な夢から、驚いて目覚めました。
「おまえが、それほどまで子供をかわいがるなら、もう一度あの子供をかえしてやろう。