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せいざ

星座

有島 武郎

1922(大正11)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页

青空文庫

、『W専門学校に行って矢部さんの講義を聞こうとおもう』、『札幌から紹介状でも貰ってきたか』、『来ん』、『じゃ俺が書くからこれから行ってみろ』……辞儀を一つする……貰いものの下駄をはく……歩く(ここは長し)……早稲田という所は田圃の多いところだ。名詮自称だ。……大隈の大きな屋敷を外から見た。W専門学校に着いた……他の奇なし。

「矢部さんは円山さんよりよほど愛想がいい。写真で片眼のべっかんこなのは知っていたが、ひどい若白髪だ。これはだいぶクリスチャンらしかった。俺も相当鞠躬如たらざるを得なかった。知合いの信者の家に空間があるかもしれないからいっしょに出かけてみようといって、学校から七八町くらいだ、表書きの家は、そこに連れていってくれた。そこのお内儀さんが矢部さんを見るとマルタが基督にでも出喰わしたように頭を下げるので、俺は困った。俺は白状すると矢部さんよりもマルタの方によけい頭が下げたいぐらいだったから。東京の女は俺の眼から見ると皆な天使のようだぞ。

「俺の部屋は四畳半で二階の西角だ。東隣りは大きな部屋だが畳を上げて物置になっていて、どういうものか鼠の奴がうんといる。