轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいざ
星座
有島 武郎
1922(大正11)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页
この時始めてそれに気がつくと、人見は話の糸目を探りあてたように思って、落着きを見せて畳の上の金を蟇口にしまいこみながら、
「こりゃいよいよ冬が来るんだよ。また今年も天長節には大雪だろうね。星野はどうしているかしらん」
と園の心を占めているらしくみえる名前の方に漕ぎ寄せていった。
「星野君からは昨日手紙を貰ったっけ。すっかり冬が来るまでは千歳にいるのだそうだ。別に健康が悪いというのでもなさそうだが、気候の変り目はあの病気にやはりよくないのだろうね」
そういって園は静かに人見を見上げたが、その眼は人見を見ているというよりも、遠い千歳の方を見すかしているように見えた。人見は人見で、今蟇口をしまいこんだポッケットの中に、おたけから来た手紙が二つに折ってしまいこまれてあるのを意識していた。彼はそれを撫でてみた。園に対して感じるとはまったく違った暖かい、ふくよかな感じが、みるみる胸いっぱいに漲ってきた。
「君はこのごろはどうなの」
園がしばらくしてからこういった。園の眼は今度はまさしく人見を見やっていた。人見は不意を衝かれたように思って、ちょっと尻ごみをしていたが、慌て気味に手が襟巻のところに行ったと思うと、今まで少しも出なかった咳が軽く喉許を擽るのを覚えた。